マンションの外壁塗装はなぜ必要?時期の見極め方や塗料一覧など外壁塗装の基礎知識

マンションの外壁塗装はなぜ必要?時期の見極め方や塗料一覧など外壁塗装の基礎知識
  • 「マンションの外壁がだいぶ汚れて古く見える」
  • 「最近、空室が目立ってきた」
  • 「そろそろ外壁塗装の時期かもしれない」

マンションのオーナー様や管理組合様は、このようにお悩みではありませんか?

築年数が経ってくると、賃貸マンションの場合、どうしても空室率は上がってしまいます。マンションの入居率は、外観をきれいにすることでアップする可能性が高いです。

また分譲マンションの場合、外壁塗装を行うことで、マンションの資産価値を守れます。

しかしマンションの外壁塗装については、よくわからないことも多いでしょう。

この記事では、マンションの外壁塗装について紹介します。

外壁塗装が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

マンションの外壁塗装はなぜ必要?

マンションの外壁塗装はなぜ必要?

マンションの外壁は、定期的に塗り替え工事が必要です。

その理由としては、外壁や建物の劣化を防いだり、美観をよくして入居率をあげる効果があります。

マンションの外壁塗装は外壁や建物の劣化を防ぐ

定期的に外壁塗装を行うことで、マンションの外壁や建物の劣化を防げます

外壁が傷んだままにしておくと、そこから雨水が壁の中に入り込んで雨漏りの原因となったりカビが発生したりして建物自体を劣化させてしまうのです。

外壁塗装を行うことで、建物を雨風や紫外線から守ってくれます。

美観をよくして入居率や資産価値をあげるため

外壁塗装を行うことで、マンションは見違えるようにきれいになり、入居率をあげられます。

マンションは築年数が経過するにつれて、どうしても建物は古くなっていくものです。それに伴って、入居希望者もだんだんと減っていきます。

また分譲マンションであれば、売却ができなくなることも考えられるでしょう。

適切に外壁塗装を行っていれば、入居率や資産価値を下げないようにできます。

マンションの外壁塗装劣化の見極め方

マンションの外壁塗装劣化の見極め方

マンションの外壁塗装が劣化しているのかどうかは、専門家にチェックをしてもらいますが、ここでは簡単にチェックができる方法を紹介します。

チョーキング現象(白い粉がつく)

チョーキング現象とは、外壁を手でなでたときに白い粉が手につく現象です。

これは、外壁塗装が劣化して、表面の塗料が分解されて白い粉となっている表れです。つまり白い粉がつくようなら、外壁塗装の劣化が進んでいます。

外壁を手でなでてみて、もしも白い粉がついたら一度業者に見てもらうのが安心です。

ひび割れ(クラック)がある

外壁に細かいひび割れがあるようなら、塗装が劣化しているサインです。

ひび割れは、外壁の塗装や環境によって発生します。

たとえ小さなひびでも、放置しておくと大きなひびとなり、内部に雨水が浸透するなど建物の構造を傷める可能性もあります。

ひび割れを見つけたら、専門家に相談してみましょう。

カビや苔が発生している

外壁にカビや苔が生えていたら、外壁の防水機能が劣化しているサインです。

日当たりが悪いところや、湿気の多い場所で発生しやすい現象です。カビや苔を見つけたら、一度業者にチェックしてもらうと安心でしょう。

色あせや汚れが目立つ

外壁塗装に色あせがあったり、汚れが目立ったりしてきたら、塗装が劣化しているサインです。

見た目が悪いだけではなく、塗膜の耐久性が損なわれている可能性もあります。

マンション外壁塗り替えの時期|塗料の種類・耐用年数一覧と特長

マンション外壁塗り替えの時期|塗料の種類・耐用年数一覧と特長

マンションの外壁塗り替えの時期が気になりますが、塗替えの適期は一概にはいえません。

前回の外壁塗装に使った塗料の耐用年数や、環境などによって、塗り替え時期は左右されるからです。

ここでは、代表的な塗料とその耐用年数、そして1㎡あたりの価格相場を紹介します。

塗料の種類耐用年数特長価格相場(1㎡)
シリコン塗料10〜15年価格と耐久性のバランスがよい
汚れに強くメンテナンスが楽
2,000~3,500円
フッ素塗料15〜20年耐久性が高く、紫外線や雨風に強い
長期にわたってメンテナンスが少ない。
3,500~5,000円
ラジカル塗料12〜15年紫外線による劣化を抑える
コストパフォーマンスがよい。
2,500~4,000円
セラミック塗料15〜20年断熱性があり、熱を反射するため、省エネ効果が期待できる4,000~6,000円
光触媒塗料15〜20年セルフクリーニング機能があり、表面の汚れが雨で洗い流される4,500~6,500円
無機塗料20〜25年非常に高耐久で、長期メンテナンスが不要
価格は高め
5,000~7,000円

ここからは、各塗料のメリットとデメリットを紹介していきましょう。

シリコン塗料のメリットとデメリット

シリコン塗料の価格相場は、1㎡あたり2,000~3,500円です。

メリットとデメリットは以下のとおりになります。

シリコン塗料のメリットシリコン塗料のデメリット
コストパフォーマンスがよい
10~15年の耐用年数
防汚性能があり、汚れがつきにくい
種類が豊富で選択肢が多い
柔軟性があり、ひび割れしにくい
耐久性はフッ素塗料や無機塗料よりも劣る
紫外線や雨風での劣化がフッ素塗料に比べて早い
高耐久塗料に比べ、メンテナンス頻度が高くなる可能性がある過酷な環境には向かず、塗膜の劣化が早くなる場合もある
特殊な機能(セルフクリーニングなど)はない

フッ素塗料のメリットとデメリット

フッ素塗料の価格相場は、1㎡あたり3,500~5,000円です。

メリットとデメリットは以下のとおりになります。

フッ素塗料のメリットフッ素塗料のデメリット
耐久性が高く、15~20年と長持ちする
紫外線や雨風などの外部環境に強い
防汚性能が高く、汚れにくい
メンテナンスの頻度が少なくてすむ
光沢感があり、美しい仕上がりを保ちやすい
シリコン塗料などに比べて価格が高い
他の塗料と比べて、硬くなりやすく、ひび割れのリスクがある
柔軟性が少なく、地震や揺れに弱い可能性がある
塗装工事に技術を要し、施工費が高くなることがある

ラジカル塗料のメリットとデメリット

ラジカル塗料の価格相場は、1㎡あたり2,500~4,000円です。

メリットとデメリットは以下のとおりになります。

ラジカル塗料のメリットラジカル塗料のデメリット
シリコン塗料よりも耐久性が高め
コストパフォーマンスがよく、比較的安価
紫外線や酸化による塗膜の劣化を防ぐ
艶のある美しい仕上がりが得られる
耐候性が高く、紫外線による色あせを抑える
フッ素塗料や無機塗料に比べると耐久性が劣る
他の高級塗料に比べると汚れがつきやすい場合もある
製品によっては、特定の環境下で効果が減少することがある
施工する際の技術によって仕上がりに差が出ることがある
新しい技術のため、塗料により性能差がある場合もある

セラミック塗料のメリットとデメリット

セラミック塗料の価格相場は、1㎡あたり4,000~6,000円です。

メリットとデメリットは以下のとおりになります。

セラミック塗料のメリットセラミック塗料のデメリット
高い耐久性があり、15~20年程度の寿命をもつ
耐熱性が高く、夏場の断熱効果に優れている
光沢のある美しい仕上がりが長期間持続
防汚性に優れ、汚れがつきにくい
防カビ・防藻性能が高く、マンションの外壁にも適している
他の塗料に比べて価格が高い
一部の環境下で汚れがつきやすい場合もある
柔軟性が低く、ひび割れが発生しやすいこともある
塗料自体が重く、塗装の施工が難しく、専門的な技術が必要
製品によって性能差があり、選ぶ際には慎重な検討が必要な場合もある

光触媒塗料のメリットとデメリット

光触媒塗料の価格相場は、1㎡あたり4,500~6,500円です。

メリットとデメリットは以下のとおりになります。

光触媒塗料のメリット光触媒塗料のデメリット
自浄作用があり、雨で汚れが落ちやすくなる
長期間、外壁の美観を保つことができる
防カビ・防藻効果が高い
耐久性が高く、20年以上の耐用年数が期待できる
環境にやさしい塗料で、有害物質の排出が少ない
初期費用が高く、他の塗料に比べてコストが高め
効果を発揮するためには、太陽光が必要で、日陰では効果が限定的
塗装技術が必要で、施工に専門的な知識や技術が求められる
一部の素材や下地に適合しない場合がある
塗料の種類によって性能差が大きく、製品選びに注意が必要

無機塗料のメリットとデメリット

無機塗料の価格相場は、1㎡あたり5,000~7,000円です。

メリットとデメリットは以下のとおりになります。

無機塗料のメリット無機塗料のデメリット
耐久性が非常に高い(20〜25年)
紫外線に強く、劣化しにくい
カビや汚れがつきにくい
耐熱性があり、火災に強い
メンテナンスの頻度が少なくなる
価格が他の塗料に比べて非常に高い
柔軟性が低く、ひび割れしやすい場合がある
施工が難しく、職人の技術が必要
色や質感の選択肢が少ない
初期コストが高いため、予算を超えることがある

結論|マンションの外壁塗装にはどの塗料を選べばいい?

マンションの外壁塗装におすすめの塗料は、以下の3種類がよく使われています。それぞれの特長を考慮して、マンションの規模、予算、メンテナンス頻度に合わせて選ぶとよいでしょう。

  1. フッ素塗料
    頻繁にメンテナンスができない大型のマンションに最適。長期的にコストパフォーマンスがよい。
  2. ラジカル塗料
    コストと耐久性のバランスがとれているため、中規模のマンションやメンテナンス費用を抑えたい場合に適している。
  3. シリコン塗料
    コスト重視のマンションや、中規模以下のマンションに適しており、初期投資を抑えつつそれなりの耐久性が欲しい場合に最適。
  4. 美観を重視するなら!光触媒塗料
    美観を重視したい高級マンションや、メンテナンスをなるべく少なくしたいマンションに適している。

耐久性やメンテナンスも考えた場合に、もっともおすすめなのがフッ素塗料です。また費用を抑えたい場合にはラジカル塗料もいいでしょう。

ご自身のマンションにどの塗料が適しているかは、専門の業者に相談するのがおすすめです。

マンションの外壁塗装工事の工程とかかる期間

マンションの外壁塗装工事の工程とかかる期間

マンションの外壁塗装工事の、工程とそれぞれにかかる期間を一覧表でご確認ください。

工期はあくまでも目安であり、天候や外壁の状態によって変動します。

【マンションの外壁塗装工事の工程とかかる期間の目安】

工程小・中規模マンション大規模マンション
足場設置1週間1〜2週間
高圧洗浄1〜3日3〜5日
下地補修1週間1〜2週間
養生作業2〜3日3〜5日
下塗り1週間1〜2週間
中塗り1週間1〜2週間
上塗り1週間1〜2週間
仕上げ・チェック3〜5日1週間
足場解体・清掃3〜5日1週間
総工期の目安1〜2か月2〜3か月

それぞれの工程を説明しましょう。

足場を設置する

安全に作業するための足場を組み立て、同時に安全ネットも張ります。

外壁を高圧洗浄

外壁の汚れや苔、古い塗料などを高圧洗浄機で洗い流します。

下地の処理

ひび割れや劣化した部分を補修し、シーリング(コーキング)処理を行います。

養生

窓やドアなど、塗料がついてはいけない部分に養生シートを貼ります。

外壁塗装(下塗り・中塗り・上塗り)

塗装は、一般的には3回にわけて行われます。

  • 下塗り:塗料の密着をよくするために下塗りを行う
  • 中塗り:メインの塗料を塗り、塗膜を作る
  • 上塗り:最終仕上げとして、さらにもう一度塗料を塗り、耐久性と美観を高める

仕上げ・チェック

塗りムラや塗り残しがないか、全体をチェックし、細かい修正を行います。

足場の解体・清掃

足場や養生シートを撤去し、周辺を清掃します。

マンションの外壁塗装にかかる費用相場

マンションの外壁塗装にかかる費用相場

ここでは、マンションの外壁塗装にかかる費用の相場を、マンションの規模別に紹介します。坪単価(㎡)は、8,000~12,000円です。

マンションの規模外壁塗装費用相場
小規模マンション(10~30戸)200~500万円
中規模マンション(30~50戸)500~1,000万円
大規模マンション(50戸以上)1,000~2,000万円

マンションの外壁塗装で色を選ぶ方法|人気色は?

マンションの外壁塗装をする際には、色選びはしっかりと考えたいものです。

今までと同じ色でももちろんいいのですが、少し色を変えることで、イメージチェンジをはかることもできるでしょう。

ここでは、外壁塗装の色を選ぶ際のポイントを紹介します。

マンションのイメージや周りの景観にあった色

マンション外壁の色を選ぶ際には、マンションの立地や周囲の建物との調和を考えることが大切です。

周囲が自然に囲まれている地域であれば、アースカラーやグリーン系がなじみやすく、都市部ならモノトーンやシックな色合いがマッチするでしょう。

汚れが目立たない色

マンションの外壁塗装は、一度塗ったらまた10年以上はそのままになります。

そのため、汚れが目立たない色を選ぶのがおすすめです。

汚れが目立たない色とは、ベージュやグレーなどで、逆に汚れが目立つ色は、白や黒などです。

汚れが目立たない色汚れが目立つ色
ベージュ、グレー系 など白、黒 など

劣化がしにくい色

マンションの外壁には、劣化がしにくい色を使うのがおすすめです。

劣化がしにくい色とは、以下のとおりです。

  • ホワイト系やグレー系
  • ベージュやアイボリー系
  • 明るいブラウン系

そして、劣化しやすい色とは、以下のとおりです。

  • 黒や濃紺などの濃い色:太陽光を吸収しやすく劣化しやすい。色あせが目立つ
  • 赤や青などの原色系:赤や青などは紫外線の影響で色あせしやすく、劣化が早い

住民の好みを聞いて反映させる

マンションの外壁の色を決める際には、住民の好みを聞くことも大切です。

とくに分譲マンションの場合は、住民の声を無視して工事を行ってしまうと、後から不満が出ることもあります。

いくつかの案を用意しアンケートをとるなどして、住民が納得する色を選びましょう。

人気の色はどれ?

外壁塗装は、一度塗装を行えば、その先10~20年はそのマンションを維持してくことになります。

そのため一時的な流行などに左右されず、飽きのこない色が人気です。

具体的には、以下のような色となります。

  • ベージュ・クリーム系
  • ホワイト系
  • ブラウン系
  • グレー系

外壁の色選びで失敗しないために

マンション外壁の色選びは、失敗はできません。

そのため事前に慎重な確認作業が必要となります。

  • シミュレーションで確認する
  • 実際の色を確認する

パソコンなどのソフトを活用して、マンションの色をシミュレーションできるケースがありますので、業者に確認してみましょう

また、実際に同じ色を使っているマンションがあれば、現物を見るのも失敗しない方法です。

マンションの外壁塗装におけるトラブルや注意点

マンションの外壁塗装におけるトラブルや注意点

ここからは、マンションの外壁塗装における、よくあるトラブルや注意点を紹介します。

ベランダが使えない

マンションの外壁塗装中には、足場が組まれて安全ネットが張られるため、ベランダが使えないことも多々あります。

逆に、足場や安全ネットが設置されていても、別の場所で作業が行われている場合には、ベランダが使えることもあるでしょう。

いつが使えて、いつは使えないのかなど、こまめに住民へ知らせておけば、トラブルを回避できます

塗料のニオイがする

塗料には独特のニオイがあり、住民や近隣へ不快感を与えることがあります。

なかには体調不良を訴えることも。換気や注意喚起を怠ると、クレームの原因になります。

窓が開けられない

外壁塗装工事中は、窓が開けられない期間が多くあります。

どうしても住民には不便を強いることになるので、こまめに説明をするようにしましょう。

入居者や近隣への連絡

外壁塗装中には、マンションの入居者はもちろん、近隣へも迷惑をかけることがあります。

大きなトラブルにならないよう、近隣への配慮も忘れないようにしましょう。

信頼できる業者であれば、業者の方で直接迷惑がかかりそうな近隣への配慮はしてくれるはずです。

補助金や助成金の確認

マンションの外壁塗装にはまとまった費用がかかります。

なかには予算が不足することもあるでしょう。

業者へ見積りを依頼し、塗料のランクなどを確認したり、使える補助金や助成金があるかどうかを確認したりすると安心です。

マンション外壁塗装の業者を選ぶ方法

マンション外壁塗装の業者を選ぶ方法

最後に、マンションの外壁塗装業者を選ぶポイントについて紹介します。

  • 信頼できる実績と経験をもっているか
  • 専門知識が豊富にあるかどうか
  • 現地調査と見積りを無料でやってくれるか
  • 保証制度があるか
  • 資格保持者がいるか、許可証などをもっているか
  • 料金が安すぎないか
  • 近隣への配慮ができるか

値段の安さだけにとらわれることなく、信頼できる業者選びをすることで、外壁塗装工事は無事に完了となるはずです。

マンションの外壁塗装が気になりだしたら|お気軽にお問い合わせください

マンションの外壁塗装が気になりだしたら|お気軽にお問い合わせください

マンションの建物や資産価値を守るために、外壁塗装は10~20年ごとに行わなければなりません。

前回の塗料のランクや、現在の外壁の状態によって、その時期は異なります。

今回ご紹介した、簡単にできるチェックをやってみて気になるような症状がありましたら、お早めに専門の業者へご相談するのがおすすめです。

ネクストプルーフ株式会社は、東京都板橋区で、長年にわたりマンションの大規模修繕や外壁塗装を承っております

2012年の創業からつねに努力を重ね、お客様から厚い信頼をいただいてきました。

単なる修繕工事を請け負う会社としてではなく、住民の皆さまの想いに寄り添いながら、大切なお住まいであるマンションをよりよい建物へと施工させていただきます。

マンションの外壁塗装の劣化が気になり始めたら、まずはお気軽にご相談ください

マンションの外壁塗装のことなら、ネクストプルーフへのお問い合わせをお待ちしております。

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